生命医科学部

医生命システム学科/大学院 医生命システム専攻

DEPARTMENT OF MEDICAL LIFE SYSTEMS / GRADUATE
SCHOOL, MAJOR OF MEDICAL LIFE SYSTEMS

カリキュラム

Curriculum

基礎から専門的知識・技術まで

段階を追って学ぶ4年間のカリキュラム

将来のキャリアに直結する専門性を養うために、積み上げ式の学習を行います。
1年次から専門科目を学ぶ上で必要な基礎的知識や技術の習得を図り、学年進行に合わせて知的好奇心や将来の専門性に応じた学習を進めます。
4年次からは研究室に配属され、指導教員の下、専門領域を究めることで科学者・研究者としての研究能力を身につけます。

各学年の目標と講義
スケジュールの一例

カリキュラム目次

1年次生

生物学(高橋)【春】

生体を構成する物質、エネルギー産生、細胞分裂、遺伝、免疫等について、高校生物の内容を踏まえながら生物学の基礎を学ぶ科目です。高校生物を履修しなかった学生でも生命科学分野の基礎知識を身につけられるよう生命科学入門的な内容になっています。

細胞生物学Ⅰ(池川)【春】

高校生物から大学教養レベルの細胞生物学への橋渡し。細胞の構造やオルガネラ、遺伝情報の流れ、タンパク質の一生など遺伝的システムの基本原理について学びます。演習を交えながら細胞生物学全般についての自分の引き出しをつくることを目指します。

臨床医学概論(祝迫)【春】

これから生命医科学を学ぶであろう、主に一年生を想定した講義です。臨床医学のイメージを持ってもらう事が主な目的で、詳細を覚えてもらう事はあまり重視をしていません。希望者には、病院見学を実施しています。ただし希望者多数の場合には、全員が参加できない場合もあります。

公衆衛生学(米井)【春】

公衆衛生学は、社会における疾病・怪我を予防し、健康寿命を延伸、身体的精神的健康の増進を目指す予防医学です。基礎知識を学ぶとともに、現代社会における様々な問題に焦点を当てた実践的講義を行います。

生命医科学概論(野口)【春・秋】

生命医科学に携わる者には、科学的真理の探求のみならず、社会の倫理評価を理解することが求められます。健康・病気とは何か、医学の歴史、医師患者関係の変遷とチーム医療、生殖医療の発達とジレンマ、死生観の変遷と終末期医療など、広く生命医科学に関わる課題について概説します。

医生命基礎実験(小林)【秋】

基礎医学研究における解剖学、生理学、生化学そして分子生物学の基本的な実験方法を学びます。また講義で学んだことを実習で体験します。

細胞生物学Ⅱ(西川恵)【秋】

生体の基本単位である細胞の特性を理解し、細胞の視点から生命機能を学びます。最新の細胞生物学研究のトピックにも触れることで、細胞生物学が今もなお発展する学問であることを知るとともに、現代生命科学の理解に役立つ基礎知識を習得します。

2年次生

人体の構造と機能Ⅰ(池川)【春】

人体の構造と機能についての入門編です。オムニバス形式で、システムごとに解剖学、生理学、組織学にあたる基本知識を身につける。また、システムは、相互に連関していることについても、様々な疾患や生物学的プロセスを例に学びます。

ヒトの病理と防御システムⅠ・Ⅱ(市川)【春・秋】

病理学とは形態学的に病気とは何かを研究する学問です。主要な病態と疾患について,成因や発症の仕組み,症状の発現とその経過を形態学的手法を用いて学習します。

ケミカルバイオロジー(小林)【春】

様々な生命現象を、生物学的視点ではなく化学的視点から考える科目です。 アミノ酸、タンパク質、遺伝子発現、そしてオートファジーなどのタンパク質分解について学びます。

分子生物学(舟本)【秋】

分子レベルで語る生物学です。世界各国で教科書として利用されている名著「ワトソン 遺伝子の分子生物学」を読み解き、現代生物学の基礎知識を習得します。

分子生物学実験(舟本)【秋】

分子生物学Ⅰ・Ⅱで学んだ知識を元に、基本的な遺伝子工学的手法を学びます。遺伝子の増幅や遺伝子の細胞への発現とその検出など、世界で通用する手技を習得します。

3年次生

人体の構造と機能Ⅱ(池川)【春】

人体の構造と機能についての中級編です。オムニバスながら、システムごとの知識を深めるよう、循環器系、脳神経系、消化器系、代謝内分泌系、生殖系などの専門性の高い情報の講義内容です。

人体の構造と機能実験(齋藤直)【春】

ヒトが生きていく上で必要なしくみについて実習します。目的の機能を発揮するために、各臓器はどのように形作られているのかを観察する。生体の中の心臓や筋肉の制御を、心電図や筋電図をとって調べる。さらに、医学倫理やMRIを使った脳の画像化など高度な実習を行います。

神経科学(齋藤直)【春】

聴覚、嗅覚、味覚などを題材に、脳はこれらの感覚をどのように情報として処理していくのか学びます。また思うように体を動かすために、脳がどのようにはたらいているのかを学びます。さらに、脳の個々の細胞レベルで電気活動を測る方法や、細胞や分子の状態を画像化する方法を学びます。

バイオマーカー解析学(野口)【春】

超高齢社会を迎え、医療費の高騰という問題に直面した日本では、病気の早期発見が必須です。バイオマーカーとは、健康状態や病気を反映して身体から発せられるシグナルのことです。病気の具体例をあげながらバイオマーカー開発の現状と取り組みについて学びます。

薬理学(西川喜)【春】

薬理学では,ある疾患に対する薬が何故効くのか,そのメカニズムを分子,細胞,個体レベルで理解します。そのために薬物の標的となる分子の構造,機能,関連分子との相互作用についても学習します。

アンチエイジング(米井)【春】

エイジング(加齢)とは成長・成熟・老化を包括する概念であり、アンチエイジングとはアンチ病的エイジングを意味します。本科目では、加齢のメカニズムを理解し、いつまでも若く健康な身体を保つ方策を考えます。

機能性食品医学(市川)【秋】

機能性食品の医用のため,基本的な栄養学の知識を学習します。日本人の食生活の現状を把握し,健康の維持・増進,生活活動のために必要な栄養素を理解するとともに,生活習慣病や入院患者の栄養管理についても理解を深めます。

分子創薬科学(西川喜)【秋】

歴史的に薬はどのように見つけられてきたのでしょう?その一方で、最新の科学技術を駆使した現代の薬はどのように創られるのでしょう?がん,感染症、免疫疾患,生活習慣病,など具体的な疾患を例にあげて学習します。

人体の構造と機能Ⅲ(池川)【秋】

人体の構造と機能についての応用編です。特に、神経系、循環器系、免疫系などの分野を掘り下げ、実験医学、病理学、分子生物学等の現代的アプローチについて理解します。

脳神経機構学(宮坂)【秋】

本講義では、脳神経の解剖と疾患、およびその解明に向けた挑戦がテーマです。アルツハイマー病研究を題材に、その光と闇、治療法開発の現状と問題点さらには社会学的な背景も踏まえて解説します。神経系に留まらず、広く難治性疾患をターゲットとした基礎研究から創薬開発において必須な基礎知識の習得を目指します。