生命医科学研究科 医生命システム専攻(現:東北大学薬学部 特任助教)の近江純平さん、西川喜代孝 教授らの研究成果が、英国科学誌「Nature Communications」2020年1月9日号に掲載されました。本研究では、インフルエンザウイルス(IAV)の構成タンパク質ヘマグルチニン(HA)に結合するペプチドPVF-tetを開発し、PVF-tetがマウスでのIAV感染による致死性を顕著に抑制することを証明しました。PVF-tetは、親ウイルスのHAを標的とせず、感染細胞内で新生されたHAに結合し、新生HAをオートファゴソーム由来の液胞状オルガネラに隔離することで強力な抗ウイルス活性を示します。本成果は、インフルエンザ治療薬の新たなコンセプトを提供しています。
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URL: https://www.nature.com/articles/s41467-019-13974-w
DOI: 10.1038/s41467-019-13974-w
論文タイトル:The inducible amphisome isolates viral hemagglutinin and defends against influenza A virus infection.
著者: Jumpei Omi, Miho Watanabe-Takahashi, Katsura Igai, Eiko Shimizu, Ching-Yi Tseng,
Tomohiro Miyasaka, Tsuyoshi Waku, Shinichiro Hama, Rieka Nakanishi, Yuki Goto, Yuri Nishino, Atsuo Miyazawa, Yasuhiro Natori, Makoto Yamashita & Kiyotaka Nishikawa.
雑誌: Nat Commun. 2020 Jan 9;11(1):162.