神経病理学研究室の宮坂知宏准教授らと東京女子医大の三谷昌平教授の共同研究による成果が「Frontiers in Neuroscience」に掲載されました。
アルツハイマー病をはじめとする認知症において、最終的に神経細胞を死に至らしめるのは異常化した微小管結合タンパク質・タウと考えられています。しかし、タウはもともと脳内に豊富に発現しているタンパク質であることから、何がこの“異常化”の本質であるのか、不明でした。本研究では、疾患モデル生物として線虫を用いることにより、タウの毒性がチューブリンの発現量に依存していることを突き止めました。通常タウは微小管(チューブリン)に結合して安定的に存在しているのですが、チューブリンに対するタウの相対的な存在量が増えるとチューブリンに結合できない “Free” のタウが生じ、これが凝集、および細胞障害をひきおこすと考えられます。チューブリンとの結合の解離が、タウの“異常化”の本質かもしれません。
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関連情報:
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2018.00415/full