システム生命科学研究室の浦野泰臣准教授、野口範子教授、高八美菜さんらの研究成果が「Cells」に掲載されました。
アルツハイマー病の発症には、アミロイドβが重要な役割を果たしており、その産生を阻害することは有望な創薬標的と考えられています。しかしアミロイドβ産生酵素は他にも多くのタンパク質の切断を行うことから、産生酵素の阻害は副作用が出てしまうことが示唆されています。
本研究では、産生酵素の他のタンパク質の切断を抑制せずにアミロイドβの産生を減少させる化合物として、本学生命医科学研究科の杉本八郎客員教授との共同研究によりクルクミン誘導体GT863を見出しました。またその作用機序として、タンパク質の糖鎖修飾の抑制が重要であり、糖鎖修飾の阻害剤も同様にアミロイドβ産生抑制効果があることを示しました。
本成果は、科研費基盤C(16K08254、19K07093:浦野泰臣)および私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(細胞自在操作のための分子化学技術の開発拠点形成)の支援により得られたものです。
研究内容の詳細は、以下の関連情報をご覧ください。
関連情報:
URL: https://www.mdpi.com/2073-4409/9/2/349
DOI: 10.3390/cells9020349
著者:Yasuomi Urano, Mina Takahachi, Ryo Higashiura, Hitomi Fujiwara, Satoru Funamoto, So Imai, Eugene Futai, Michiaki Okuda, Hachiro Sugimoto, Noriko Noguchi
タイトル: Curcumin Derivative GT863 Inhibits Amyloid-Beta Production via Inhibition of Protein N-Glycosylation.
雑誌: Cells. (2020) 9: E349