生命医科学研究科 医生命システム専攻 分子生命分野 博士課程3年安西聖敬さん、高橋 美帆助教、西川 喜代孝教授らの研究成果が「Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載されました。骨の恒常性は、破骨細胞による骨の破壊と骨芽細胞による骨の形成のバランスで維持されています。破骨細胞分化因子であるRANKLがその受容体RANKに結合すると、RANKの細胞質側にシグナル伝達分子TRAF6が会合し、これにより細胞内に特定のシグナルが伝わり、造血幹細胞は破骨細胞に分化します。安西さんらは、RANKのTRAF6結合領域に存在するペプチドモチーフを4価でもつ多価型ペプチド、RANK-tetを開発しました。RANK-tetはTRAF6に結合することで、RANKとTRAF6の相互作用を効率よく阻害し、破骨細胞の分化を強力に抑制します。本研究の成果は、破骨細胞による過剰な骨破壊に起因する骨粗鬆症や関節リウマチに対する新たな治療薬開発に寄与すると期待されます。
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論文タイトル
A tetravalent peptide that binds to the RANK-binding region of TRAF6 via a multivalent interaction efficiently inhibits osteoclast differentiation
著者
Masataka Anzai, Miho Watanabe-Takahashi, Hiroshi Kawabata, Saori Mizuno, Yuu Taguchi, Jun-ichiro Inoue, Kiyotaka Nishikawa*
*corresponding author
雑誌名
Biochemical and Biophysical Research Communications
DOI:10.1016/j.bbrc.2022.10.075
アドレス:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X22014863